INDEX
・BCAA(分岐鎖アミノ酸)
・β−カロチン
・アミノ酸
・アルギニン
・カプサイシン
・カルシウム
・ガルシニア
・グリコーゲン
・グルタミン
・クレアチン
・コラーゲン
・タンパク質
・デキストリン
・鉄
・糖質
・ビタミンB群
・ビタミンC
・ビタミンE
・ホエイプロテイン
・ホエイプロテインアイソレート
・ホエイペプチド
・ポリフェノール
・マグネシウム
・ミネラル


TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

TOP

■BCAA(分岐鎖アミノ酸):疲労の予防に役立つ3つのアミノ酸

 Branched Chain Amino Acid の略で、バリン、ロイシン、イソロイシンの3つの必須アミノ酸をさす。役割は主に次の3つ。 1)運動時に亢進する筋タンパク質の分解を抑制する、 2)長時間にわたる持久性運動時に、BCAAそれ自体が筋肉中でエネルギー源となるため、グリコーゲンを節約する。 3)中枢性疲労の原因物質であるセロトニンの上昇を抑制するため、集中力ややる気の維持に貢献する。上記のような「疲労の予防」的な役割は、運動前にBCAAを摂取することで効果 的に発揮されるため、BCAAは運動前の補給に適している。
こんな選手に:ランナーなど持久系種目の選手、長時間にわたる練習や試合を消化する選手に
摂取の仕方:運動直前に10粒、運動間に10粒の1日計20粒(BCAAタブの場合)
■β‐カロチン:活性酸素を撃退し、しなやかな組織を維持する

 β‐カロチンは緑黄色野菜に含まれ、体内でビタミンAに変わる。ビタミンAは目やのどの粘膜を正常に保つ働きがあり、不足すると目は潤いをなくし、呼吸器に細菌やウィルスが進入しやすくなりカゼをひきやすくなる。β‐カロチンは体内で必要量 だけビタミン Aに変わり、残りは体内に蓄積される。Aに変換されないβ‐カロチンは抗酸化作用という独自の働きがある。すなわち、組織や細胞を傷つけ、老化させる活性酸素をβ‐カロチンが撃退し、しなやかな細胞を守り、血液循環を良くさせて、競技者としてのテンションを高く長く維持するのに貢献する。β‐カロチンの抗酸化作用は、ビタミンC、ビタミン Eとあわせて取ることでより強力に働く。
こんな選手に:体ができあがった大人の選手、有酸素運動をする選手、持久力向上を目指す選手
摂取の仕方:1回4・5mg程度を1日2〜3回
■アミノ酸:運動後の筋肉の回復を助け、筋力向上に貢献する

 アミノ酸とは、タンパク質を構成する最小単位で20種類ある。そのうち、ヒトが体内で合成できないものを「必須アミノ酸」または「不可欠アミノ酸」といい、バリン、スレオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、リジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、ヒスチジンの9種類がある(子供にはアルギニンも必須)。これらは食品から摂取することが不可欠であるため、必須アミノ酸バランスの良い、いわゆる良質のタンパク質をとることが筋肉を作る上で大切である。スポーツ選手の筋力向上のためには運動直後のタンパク質摂取が有効であるとされるが、タンパク質のような高分子化合物では消化吸収に時間を要するため、運動直後の筋肉において速やかに利用できない。しかし、遊離型のアミノ酸ならば、速やかに吸収され、筋力向上により有効であることが明らかとなっている。
こんな選手に:瞬発系種目の選手、筋力向上を目指す選手、筋肉を酷使する練習を行っている選手、ウェイトトレーニングをしている選手
摂取の仕方:1回の目安量は2000mg(アミノ2000で5粒)で、運動(トレーニング)の直前、直後、および就寝前の3回補給する。吸収の良さが損なわれるので、プロテインなどと一緒には摂取しない。
■アルギニン:成長ホルモンの分泌を促し筋力向上に貢献する

 成長ホルモンの合成に関与するアミノ酸の一種。成長ホルモンは脳下垂体から分泌され、タンパク質の代謝を促し、筋肉を強化する働きが認められている。それを裏付けるように、アルギニンの投与により、除脂肪体重の増加、筋量 の増加、体脂肪量の低下を示した研究報告もあるが、さらに研究が進められているところである。また、アルギニンには、体を活性化し精神的、肉体的に機敏にさせる働きもある。さらに、免疫反応を強化する作用があるため、病気への抵抗力を高め、傷の治りの早い体を作るという働きもある。成長ホルモンは、アルギニンのほかに、オルニチン、トリプトファン、グリシン、チロシンなどのアミノ酸にも合成作用があり、これらのアミノ酸を別 々にとるより一緒にとったほうがより効果的だとされる。
こんな選手に:筋力向上を目指す選手、成長期の子供、外傷のある人
摂取の仕方:摂取タイミングとしては就寝前の空腹時が理想的とされる
■カプサイシン :脂肪燃焼に関わり減量に役立つ

 唐辛子の辛味成分でエネルギー消費の促進が有名である。体内に入ったカプサイシンは、中枢神経を刺激して副腎皮質からアドレナリンなどのホルモンの分泌を促すため、エネルギー代謝が盛んになって体内の貯蔵脂肪の分解が進む。唐辛子を食べた後、体が熱くなったり、汗をかいたりするのはこのためで、運動したときと同じように熱エネルギーとなって放散される。このため、減量 を希望するスポーツ選手に有効である。辛くてそう大量に食べられるものではないので、食事のたびに補給を続けるようにする。
こんな選手に:減量中の選手、減量を希望する選手
摂取の仕方
:食事の前に1回10粒(ファットメタボライザーの場合)
■カルシウム:骨格を強化する

 骨、歯を作るミネラルの一種。成人の体内には体重50kgの人で約1kgのカルシウムがあり、その99%は骨と歯に存在する。健康な骨格づくりのために毎日の補給が欠かせないが、過去20年間日本人の平均的摂取量 は1度もカルシウムの所要量を満たしたことがない。さらに、スポーツ選手ともなればトレーニング時の発汗によって大量 に流出するため、カルシウム不足になりやすい。カルシウムの不足が続くと骨折しやすくなるため、スポーツ選手は充分に補給したい。体内に存在するカルシウムのうち、骨、歯以外の残りの1%は、血液中、筋肉、神経などにあり、神経のいら立ちを抑えるトランキライザー(精神安定剤)の働きのほか、筋肉の収縮をスムーズにする働きがある。
こんな選手に:ラグビーやサッカーなどのコンタクトスポーツの選手、成長期にある選手、発汗量 の多い選手
摂取の仕方:1回150〜300mgを1日3回
■ガルシニア:とりすぎた糖質を脂肪に変換させない

 南アジア産の果物でガルシニアカンボジアという。その含有成分のひとつであるヒドロキシクエン酸が、とりすぎた糖質から脂肪酸が合成されるのを防ぐ。そのメカニズムとは、次の通 りである。糖質を摂取し、ブドウ糖にまで分解されて吸収されると、ブドウ糖は解糖系とクエン酸サイクルと呼ばれる一連の代謝の過程でエネルギーを放出する。しかし、グリコーゲンの合成とエネルギー生産に消費する分以上に糖質が供給された場合、クエン酸サイクルで余ったクエン酸から、ATPクエン酸リアーゼという酵素の働きによって脂肪が合成される。しかし、ガルシニアのヒドロキシクエン酸が肝細胞に存在すると、優先的にATPクエン酸リアーゼと結合してしまい、その仕事をブロックしてしまう。すなわち、糖質の過剰摂取に由来する余分なクエン酸があっても、ヒドロキシクエン酸の存在によって脂肪に変換されることがなくなる。
こんな選手に:減量を希望する選手、減量中の選手
摂取の仕方
:食事の30分〜1時間前にとることが望ましい
■グリコーゲン:肝臓や骨格筋におけるブドウ糖の貯蔵型で運動時のエネルギー源

 糖質を摂取するとブドウ糖にまで消化されて小腸で吸収される。吸収されたブドウ糖は当面 のエネルギー源として骨格筋のような組織で利用されたり、グリコーゲンというかたちで肝臓や筋肉にたくわえられる。すなわち、グリコーゲンとは運動時のエネルギー源であるブドウ糖の貯蔵型である。肝臓に蓄えられたグリコーゲンは主に中枢神経系を正常に働かせるためのエネルギー源となり、筋肉中に蓄えられたグリコーゲンは運動時に直接利用するエネルギー源となる。筋グリコーゲン量 は持久力に関わるため、特に試合前には高糖質食をとり、筋グリコーゲン量 を高めることが重要となる。
摂取の仕方:グリコーゲンのもとは糖質である。パフォーマンスの3〜4時間前はでんぷん質を、30分〜1時間前、またはハーフタイムにはデキストリンを、運動中の補給にはブドウ糖を摂取するのが望ましい。
■グルタミン:免疫力をサポートし、カゼや感染症を予防する

 免疫に関与するといわれるアミノ酸の一種。夏の強化合宿など、強度の高いトレーニングが続くと血液中のグルタミン濃度が低下し、免疫力が低下してカゼや感染症などにかかりやすくなると報告されている。特に何度も繰り返し疲労困憊に至るような持久性運動を行う場合、顕著に血液中のグルタミン濃度が低下するため、持久系の選手はグルタミンの補助が有効。
こんな選手に:持久系種目の選手、強化合宿時にある選手、オーバートレーニングになりやすい選手
■クレアチン:瞬発力の向上に役立つ

 グリシン、アルギニン、オルニチンなどのアミノ酸から合成され、筋肉中にとり込まれてリン酸と結合し、クレアチンリン酸として貯蔵される筋中エネルギー物質である。クレアチンの効果 はおもに次の3点で、
1)瞬発力の向上…運動は強度と持続時間によってエネルギー源となる物質が変わる。 100m走や重量上げなど、瞬時にして最大のパワーを発揮するときはATP(アデノシン三リン酸)という物質がエネルギーの本体となる。ATPは爆発的なパワーを生み出しては失効するため、筋肉中のクレアチンリン酸が、それを瞬時に次々とATPに再生し、最大パワーを獲得するというしくみである。筋肉中に充分にクレアチンリン酸があると瞬発的な運動を何回行ってもほとんどパワーが低下しないこともわかっており、インターバルトレーニングの効果 を上げる。ひいては、瞬発力の向上につながる。
2)乳酸生成の抑制…乳酸は筋肉疲労の原因物質。糖質を燃焼して得られたエネルギーで強度の高い運動をすると乳酸が生成されるが、クレアチン摂取によるハイパワーが持続できれば、糖質が使われないので乳酸は生成されず、筋肉の疲労を遅らせトレーニング量 を充分に積むことが可能になる。
3)筋肉量の増加…クレアチンを摂取してトレーニングを続けると、疲労を迎えることなく最大運動を継続できるため、結果 的に筋肉量が増大する。ただし、これはタンパク質補給が充分に行われているという条件においていえる。
こんな選手に:瞬発系種目の選手、筋肉増大を目指す選手、インターバルトレーニン グをする選手、スピードをつけたい選手
摂取の仕方:ローディング(蓄積)期とメンテナンス(維持)期の2段階でとるようにし、NSCA (National Strength Conditioning Association) の推奨量は以下の通りである。
・ ローディング期…1回5gを1日4回(計20g)とり、6日間続ける。摂取のタイミングは毎食後とトレーニング後の計4回。
・メンテナンス期…トレーニング後に5g(1日1回)
■コラーゲン:腱、じん帯、関節、骨など結合組織を強化してケガの予防と回復促進

 コラーゲンは人をはじめいろいろな動物の体の中にあって、細胞と細胞の隙間を埋めている繊維状のタンパク質で、高等動物の筋タンパク質のおよそ30%を占める。特に、軟骨、関節、じん帯、腱、骨、皮膚、歯、血管壁などには大量 に存在する。コラーゲン摂取の効果は、美肌づくりなどの美容効果が有名であるが、近年、スポーツ選手のアキレス腱炎、膝関節などの痛みの軽減や、脱臼、骨折の治癒を早めるなどの事例報告も数多くみられ、今や整形外科のドクターからケガ予防と回復の観点から注目が集まっている。
こんな選手に:ラグビーやサッカーなどコンタクトスポーツに携わる選手、ケガ予防と回復を希望する選手、市民ランナーや健康ウォーキングなどスポーツを 楽しむ人で膝の痛みをもつ人
摂取の仕方:コラーゲンは動物性食品に含まれるが、その機能を期待するだけの量 をとるには大量の肉などを食べなくてはならないため、サプリメントでの摂取が効率的。ケガの予防と回復のためには1回5gを1日2回に分けて、継続的に補給するのが望ましい。
■タンパク質:筋肉増大のための主要な材料

 タンパク質は体内で筋肉や臓器などの構成成分となり、また、生体反応の触媒である酵素、機能を調節するペプチドホルモン、神経伝達物質などとなる。さらに、免疫機能を高めるという働きもある。タンパク質は生命を維持するためになくてはならないもので、分解されては合成されるという新陳代謝を繰り返し、摂取される食品を反映してヒトの体はたえず作りなおされている。特にスポーツ選手の場合は、激しい筋運動によって、筋肉のタンパク質を分解し続けており、その回復のためには、充分なタンパク質補給が不可欠である。タンパク質は約20種類のアミノ酸によって構成され、その組み合わせによって栄養価が異なる。いわゆる「良質のタンパク質」と呼ばれるものは、20種類のアミノ酸のうち、ヒトの体内で合成することのできない9種類のアミノ酸をバランス良く含むものをいう。ヒトの体が要求するバランスを満たしたものを、タンパク質の栄養価の優劣を表す指標で「アミノ酸スコア100」と称される。筋肉増大を目的とするスポーツ選手の場合は、アミノ酸スコアの高いタンパク質を補給したい。タンパク質を補給する場合、通 常、肉や魚などを食べることになるが、これらには脂肪分が含まれ、なおかつ、油脂を用いて調理することが多い。余分な体脂肪を増やさず、筋肉だけを増大させるためには、極力脂肪をカットすることが必須である。このような場合、プロテインパウダーを使用すれば、アミノ酸スコアは100であるものがほとんどであり、また、脂肪分を取ることなく、純粋にタンパク質だけを確保できるので効率的である。
こんな選手に:パワーやスピードが要求される種目、体を大きくしたい選手、筋肉を落とさずに減量 を試みる選手
摂取の仕方:プロテインの場合、1回14〜21gを1日3回
■デキストリン:運動前や運動間の即効性エネルギー源

 デキストリンとはでんぷんの酵素分解物である。でんぷんは運動前に摂取することにより、エネルギー源として利用できるが、その構造はブドウ糖が無数に結合しているので、消化に時間がかかる。よって、試合や練習の前に十分に時間があるときのエネルギー源であり、試合直前やハーフタイム、練習中の補給には適さない。一方、ブドウ糖や砂糖などの糖分は、ブドウ糖が1分子あるいは2分子(他の単糖も含め)であるのですばやく吸収されるが、エネルギーの絶対量 を確保しにくい。その点、デキストリンはでんぷんをアミラーゼという酵素で処理することにより、数分子から数百分子にまでブドウ糖の鎖が短くなっているため、消化に時間がかからない。つまり、デキストリンはでんぷんよりすばやく、糖分より充分な量 のエネルギーを確保することができ、試合や練習の直前、あるいはハーフタイムなど試合中の補給に適したエネルギー源である。
こんな選手に:試合直前にエネルギー補給したい選手、試合後半のスタミナ切れが気になる選手、カーボローディングしている選手、1日に何試合も消化する選手の試合間のエネルギー補給に
摂取の仕方:試合や練習開始の30分〜1時間前に補給するのが望ましい。また、試合や練習の直後に200kcal程度を補給すると疲労回復に役立つ(体重70kgを超える選手は摂取量 を増やす)。
■鉄:貧血を予防する

 鉄は赤血球のヘモグロビンの構成成分であり、体の各器官への酸素運搬に働く。また、筋肉中ではミオグロビンというヘモグロビンに似たタンパク質の成分として、血液中の酸素を筋肉にとり入れる役目をする。不足すると体が酸欠状態になり、息切れ、めまい、持久力の低下など、貧血による症状が現れる。赤血球の寿命はおよそ120日で、鉄は再利用されるので排泄される1日1mgを補充すればよいことになり、吸収率10%ということを加味すると通 常、男性で1日10mg、女性で12mgをとればよい。しかし、スポーツ選手の場合、激しい運動により、赤血球の寿命が短く、また、発汗により体外に流出しやすいため、一般 人の約2倍程度の摂取が必要となる。
こんな選手に:持久系の種目の選手、練習強度の高い強化合宿期にある選手、疲れやすい選手
摂取の仕方:1回4〜6mgの鉄を、1日3回摂取する
■糖質:運動時の主要なエネルギー源

 糖質は三大栄養素のひとつである炭水化物の構成成分で、おもに炭素(C)、水素(H)、酸素(O)原子からできている。最小単位 は単糖でブドウ糖(グルコース)、果糖(フラクトース)、ガラクトースがあり、単糖が2個結合したものがニ糖類で麦芽糖(マルトース)、蔗糖(さとう:シュクロース)、乳糖がある。単糖が2〜20個結合したオリゴ糖や多数結合した多糖類があり、多糖類にはでんぷん、グリコーゲンのほか、エネルギーにはならない食物繊維のセルロース、ペクチンなどがある。糖質はすべて最小単位 の単糖に分解されてから吸収され、最終的にすべての単糖は肝臓でブドウ糖に変えられる。ブドウ糖は肝臓から血液を通 じて、各組織に運搬され解糖系によってATP(アデノシン三リン酸)に変えられて代謝され、最終的には二酸化炭素と水になるが、その過程で糖質は1g当たり、4kcalのエネルギーを供給する。これが運動時のエネルギー源の主役となる。一方エネルギー産生以上のブドウ糖が存在する場合、肝臓や筋肉は、過剰のブドウ糖をグリコーゲンにかえて貯蔵することができ、長時間の運動時に利用して持久力をサポートする。そこで、長時間にわたる試合の前や、スタミナが要求される種目では、このグリコーゲン貯蔵量 を増大させることが重要である。ブドウ糖は運動時のエネルギー源のほか、脳への重要なエネルギー源であるという役割をもつ。脳、神経系などはブドウ糖のみを唯一のエネルギー源とするので、血糖値(血液中のブドウ糖量 )が低下すると数分で機能を失う。肝臓のグリコーゲンが充分にあればこれが分解されて血液中に供給され、脳は正常に働くことができる。しかし、運動中はグリコーゲンの消費が激しいため、運動前、運動中の糖質摂取が、集中力、判断力、思考力の低下を予防し、ひいては不慮のケガやプレー中のイージーミスを少なくするためにも重要である。
こんな選手に:練習や試合前のスポーツ選手、ウェイトトレーニング前の選手
摂取の仕方:消化、吸収時間を加味して、運動の3〜4時間前はでんぷん(ごはん、パン、麺類など)、運動の30分〜1時間前はデキストリン、運動の直前や運動中はブドウ糖を摂取する。また、運動直後のエネルギー回復にはデキストリン200kcal(体重70kgまでの選手の場合)が望ましい。
■ビタミンB群:エネルギー代謝をスムーズにしコンディションを整える

 ビタミンはごく微量で他の栄養素の働きをスムーズにする潤滑油のような作用をし、不足すると欠乏症がおきることから明らかであり、不可欠な微量 栄養素である。ビタミンB 群の仲間にはビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類がある。ビタミンB群は水溶性であるので、大量 に摂取しても体外に排泄され過剰症の心配はない。

ビタミンB群の働きのおもなものは、糖質、脂質、タンパク質の代謝を助けたり、造血に関わって貧血を予防したり、皮膚や粘膜の健康を維持したり、ホルモン合成を促したり、副腎を強化したり、免疫力や抵抗力を高めたりと、ビタミンB群は微量 で生命に必須な働きをもつ。

ビタミンB群はどれも代謝を助けるため、同じ働きをしているように見えるが、実際の反応はもっと複雑でそれぞれ固有の持ち場で働く。例えば、造血に関わるビタミンB12、葉酸はそれぞれの協力が必要で単独では機能できない。また、筋肉が動くように脳から指令を伝える神経が正常に働くためには、いくつものビタミンB群の仲間が必要で、筋肉や神経を動かすエネルギーを作るのがビタミンB1、神経伝達物質の生成に働くのがビタミンB6、そして、神経細胞内の核酸やタンパク質などを合成したり修復するビタミンB12、といった具合に、どのビタミンが不足しても神経は正常に働かない。

このように、ビタミンB群はそれぞれ協力しあって働いているため、どれが欠けても疲れやすくなり、また、ひとつのビタミンのみを過剰にとってバランスを崩しても不調のもとになる。個々の働きは以下の通 りである。


・ビタミンB1…糖質のエネルギー代謝を助けたり、脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能を正常に保つ働きがある。不足すると、集中力低下、倦怠感、肝臓、腎臓の機能低下、食欲不振などの胃腸障害、脚気、反射神経の異常、手足のしびれなどがおこったり、疲れやすくなる。
・ ビタミンB2…油や脂肪分の代謝を促す。また、過酸化脂質を分解したり、全身の成長を促進させたり、細胞の再生を助けたり、粘膜を保護したり、健康な肌、爪、髪をつくる働きがある。不足すると口内炎、舌炎、口唇炎にかかったり、目が充血したり、皮膚炎になりやすくなる。
・ ビタミンB6…タンパク質代謝の主役を担う。また、脂質代謝にも欠かせない。そのほか、神経伝達物質の合成に関わったり、赤血球や抗体の合成にも関わったり、インシュリン(血糖値を下げるホルモン)の合成にも働く。不足すると、脂肪肝になったり、貧血になりやすくなる。また、口内炎、舌炎、皮膚炎、脂性の肌などになりやすくなるほか、神経過敏、不眠などがおこる。
・ ビタミンB12…葉酸と協力し合って赤血球の産生に働き、悪性貧血を予防する。神経の働きを正常に保つ。不足すると貧血をおこし、からだがだるく、めまい、動悸、息切れを感じたりする。また、手足がしびれたり、ふさぎこんだり、集中力が低下したりと神経症状や精神症状もおこる。
・ ナイアシン…糖質、脂質の代謝に働く。また、脳神経の働きを助けたり、血行を良くしたりする。不足すると頭痛、めまい、不安感、口角炎、食欲減退などがおこり、欠乏がひどいとペラグラという皮膚病になる。
・ パントテン酸…糖質、脂質、タンパク質の代謝に働く。また、ストレスを緩和するホルモンである副腎皮質ホルモンを合成したり、免疫力強化に働く。不足すると、ストレスに弱くなったり、抵抗力が落ちてカゼをひきやすくなる。
・ 葉酸… ビタミンB12と協力しあい赤血球の産生に働いて貧血を予防する。また、タンパク質の合成に働き、細胞を新しく作ったりするほか、病気に対する抵抗力をつける。不足すると、貧血になったり、感染症にかかりやすくなる。
・ ビオチン…糖質、脂質、タンパク質の代謝に働く。また、髪や皮膚の健康を保ったり、筋肉痛を緩和したりする。不足すると、疲労感や憂鬱のもとになったり、皮膚炎などがおこる。
こんな選手に:持久力向上を目指す選手、練習強度の高いシーズンにある選手、高タンパク食をとる選手、疲れやすい選手、減量 中の選手。
摂取の仕方:体内にためておけないので毎日とる。また、ビタミンB群は、動物性食品に豊富に含まれるものが多いので、ベジタリアンや偏食のある人はビタミンB群のサプリメントを積極的にとる。ビタミンB群は相互作用があるため、バランス良く摂取する。
■ビタミンC:コンディショニングの万能ビタミン

 細胞と細胞の接着剤であるコラーゲンの合成に働き、関節、じん帯、腱、骨などの結合組織を強くしてケガの予防に働く。また、免疫活動の主力である白血球の働きを強化してウィルスに対する抵抗力を高め、カゼなどの感染症にかかりにくくする。また、β‐カロチンやビタミンEとともに強い抗酸化作用を持ち、細胞の老化を防ぐ。さらに、抗ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンの合成に関与し、ストレスに対する抵抗力を高める。
こんな選手に:試合前の調整期にある選手、ケガの予防と回復促進を希望する選手、活性酸素を撃退したい選手、強化練習期にある選手、疲れやすい選手、貧血気味の選手
摂取の仕方:2〜3時間で排泄されるので、まとめて大量に取らず、1日に3〜4回に分けてとることが重要。
■ビタミンE:強い抗酸化機能を持ち、選手としてのピークを長く高く保つ

 酸素は食べ物を燃やしてエネルギーを生み出す重要な役割を担うが、一方で、反応性の高い活性酸素が生じて、細胞膜を酸化させ、過酸化脂質を作ってしまうという問題点ももちあわせている。過酸化脂質は連鎖的に細胞を破壊し、組織は老化の一途をたどることになる。この活性酸素を撃退し、その悪行から細胞膜を守る役割を持つのがビタミンEである。特にスポーツ選手の場合は、筋肉に栄養を届けたり、筋運動で生じた疲労物質をすばやく除去したりするためには、血液の流れがスムーズであることが重要である。しかし、活性酸素によって血中のコレステロールが酸化されると、血液の粘度が増して血流が悪化してしまい、疲労が抜けなかったり、持久力の低下などパフォーマンスに悪影響を及ぼすことになる。ビタミンEは、その強い抗酸化作用をもって過酸化脂質の生成を抑制し、または過酸化脂質を分解して血行をよくするため、スポーツ選手は十分にとりたい栄養素である。
こんな選手に:有酸素運動をしている持久系の選手、成長期をすぎた大人の選手、高所トレーニングを行う選手
摂取の仕方:脂溶性ビタミンにしてはとりすぎの害がない。活性酸素の撃退のためには1日100〜300mgぐらいが適量 とされる。1度にまとめてとるより3回程度に分けるほうが効率が良い。
■ホエイプロテイン:筋肉づくりに効果 的なタンパク質

 ホエイプロテインは牛乳から製造されるタンパク質の一種である。製造工程としては、牛乳をカゼインタンパク質(従来のプロテインパウダーの原料)とカード(凝乳)に分離し、このカードに酵素を作用させることにより凝固したチーズとホエイを得る。このホエイを精製したものがホエイプロテインである。ホエイプロテインの特徴としては、アミノ酸の配列が人乳に近く栄養価が高いこと、免疫に関係するグロブリン類が含まれること、 BCAA、システインが多いことがあげられる。そして、科学的研究によって明かになったこととして、1)筋肉中に窒素をより長く保持するため、筋肉を維持・成長させること、2)免疫機能を高めること、3)BCAAの働きにより、トレーニングの疲労から速やかに回復させること、などがある。
こんな選手に:筋肉増大を目指す選手、パワーとスピードを向上させたい選手、ウェイトトレーニングを行っている選手、瞬発系種目の選手
摂取の仕方:ホエイプロテイン1回14〜21gを牛乳200〜300mlに溶かして1日3回
■ホエイプロテインアイソレート:タンパク含有率の高い高品質のホエイプロテイン

 ホエイプロテインを原料とするプロテインパウダーでは、ホエイプロテイン濃縮物(WPC)を使用するのが一般 的である。ホエイプロテイン濃縮物をさらに精製したものがホエイプロテイン・アイソレート(WPI)といい、こちらのほうがタンパク質の含有率が高く品質が高いといえる。ホエイプロテインを原料とするプロテインパウダーは数多くあるが、価格の差はおもにWPCとWPIの使用の違いによるものである。

■ホエイペプチド:すみやかに吸収され、筋肉の超回復に役立つ高性能プロテイン

 ホエイプロテインを加水分解して生成したプロテイン。通常、タンパク質を摂取すると、消化されて最終的にアミノ酸、またはペプチドにまで分解されてから、腸で吸収されるため、筋肉にとり込まれるのに時間がかかる。しかし、最初からペプチドの状態になっているホエイペプチドであれば、消化というプロセスを経ることなく、すばやく腸から吸収され筋肉にとり込まれることになる。筋肉の超回復のためには、ハードトレーニングの直後、できるだけ早くタンパク質を補給することの重要性は広く知られているが、そのニーズに応えているのがホエイペプチドである。また、ホエイプロテインの特徴的なメリットがホエイペプチドでは増強されており、BCAA含有率が上がり、さらにタンパク質としての栄養価も軒並み向上している。より次元の高いトレーニングを消化する選手のための高性能プロテインである。
こんな選手に:筋肉増大を目指して、質、量 ともに高い次元のトレーニングを消化する選手、現状よりワンランク上の筋肉づくりを目指す選手
摂取の仕方:1回14〜21gを牛乳、または水200〜300mlに溶かして1日3回。
■ポリフェノール:ビタミンEに匹敵する強い抗酸化作用を持つ

 体に入った酸素の一部は活性酸素となって、組織を傷つけたり、老化をすすめたり、血行を悪くさせたり、ガンや動脈硬化などの成人病の原因となる。この活性酸素を抑えるのが、抗酸化物質で、β‐カロチン、ビタミンC、ビタミンEなどが有名であるが、それに匹敵するほどの抗酸化作用をもつのが、近年注目されているポリフェノールである。ポリフェノールは、赤ワイン、お茶、ココアなどの、渋み、苦味成分に含まれている。運動時には、全身の酸素消費量 が安静時の10倍以上にも増加するため、活性酸素の生成が増加すると考えられ、細胞膜のみならず細胞機能全体の低下につながりやすくなっている。そこで、激しい運動をくりかえすスポーツ選手には抗酸化栄養素や、抗酸化作用を持つポリフェノールの摂取が酸化的ストレスを低下させ、酸化的損傷を抑制するのに効果 的である。
こんな選手に:有酸素運動をする選手、持久力向上を目指す選手、成長期をすぎた大人の選手
摂取の仕方:サプリメントでとるのが効率が良い。1回45mg程度を1日2回。
■マグネシウム:筋収縮をスムーズにし、骨を強化する

 マグネシウムは成人の体内に約30mgある。うち、55%は骨に、次いで多いのは筋肉中で、1%は血清中に存在する。マグネシウムはカルシウムとのバランスが大切なミネラルで、理想のバランスはカルシウム:マグネシウム=2:1、から3:1である。通 常、筋肉の収縮は筋細胞にカルシウムが入り込むことで緊張が高まっておこるが、このカルシウムの動きを調節し、筋収縮を円滑にさせているのがマグネシウムである。マグネシウムが不足すると、筋細胞にカルシウムが流れ込みすぎて、筋収縮がうまくいかず、けいれんやふるえなどがおこる。また、骨の強化にもマグネシウムとカルシウムのバランスが重要で、決してカルシウムだけとっていれば良いというものではない。そのほかに、ビタミンB群とともに糖質、脂質、タンパク質の代謝や核酸の合成に働いたり、体温や血圧を調節したり、精神を安定させたり、血液をさらさらに保ったりする働きがある。
こんな選手に:足がつったり、けいれんやこむら返りのある選手、発汗量 の多い選手、骨を強化したい選手、牛乳や乳製品を多くとる選手、強化練習期にある選手
摂取の仕方:カルシウムとのバランスに注意して補給する
■ミネラル:体の機能の維持や調節に欠かせない微量 元素

 人の体は体重の95%が酸素、炭素、水素、窒素の4元素からできており、残りの5%は、体に必須な微量 元素でできている。これをミネラルまたは無機質と呼ぶ。体の中では多くの化学反応が行われており、こうした反応を推進する酵素に必須なのがミネラルである。しかし、日本人の平均的な食事ではミネラルが不足しやすく、とくに、カルシウムは不足が著しい。また、スポーツ選手の場合発汗量 が多いため、汗に大量にカルシウム、鉄をはじめとするミネラルが流出する。失ったミネラルの補給が追いつかなければ、骨がもろくなって骨折しやすくなったり、貧血がおこったりと練習を消化するための最低限の身体条件を整えるに至らない。そういった点から、運動後のミネラル補給が重要である。以下に個々のミネラルの生理作用をあげる。
・ カルシウム…骨や歯を形成し、神経の興奮を抑制する。不足すると、骨折しやすく、また足がつったりけいれんの原因となる。
・ リン…骨や歯を形成したり、糖質代謝に関与する。不足すると、骨や関節が弱くなる。また、新陳代謝が低下して筋肉が弱ったり、だるくなる。
・ カリウム…心臓や筋肉の機能を調節する。不足すると筋肉の動きが悪くなったり、食欲不振、夏バテの原因になる。
・ イオウ…皮膚や髪、爪を作る
・ ナトリウム…神経、筋肉の興奮を鎮める。不足すると食欲不振、極度の疲労、頭痛、めまいなどがおこる。
・ 塩素…胃液中にあり、消化を促進。食塩をとっていれば不足はない。
・ マグネシウム…約300種の酵素反応を活性化する。また、筋収縮を円滑にさせ、骨の強化に働く。不足すると、けいれんやこむら返りがおこりやすく、精神的にもいら いらする。骨が弱くなる。
・ 鉄…赤血球のヘモグロビンの必須成分であり、不足すると貧血がおこり、持久力が低下する。
・ 亜鉛…タンパク質の合成に関与する。不足すると味覚障害がおこる。また、新陳代謝が鈍ったり、カゼをひきやすくなる。
・ 銅…ヘモグロビン合成に関与する。不足するとヘモグロビン量が減ったり、赤血球が小さくなる。骨が弱くなる。
・ ヨウ素…発育促進、および基礎代謝を促進させる。
・ セレン…抗ガン作用、抗酸化作用がある。
・ マンガン…糖質、脂質代謝、骨形成に関与する。
・ モリブデン…プリン体の代謝に関与する。
・ クロム…糖代謝を良くする。
・ コバルト…ビタミンB12の構成成分で貧血を予防する。
こんな選手に:発汗量の多い選手、偏食のある選手、強度の高い練習を消化した選手強化合宿期にある選手
摂取の仕方:必要量を1日3〜4回に分けてとる。